東洋一の漁港と謳われた静岡県の焼津港。その一角に「こうりょうさん」と呼ばれる網元がありました。漁師さん、仲買人さんから支持され、愛された「こうりょうさん」。その「こうりょうさん」が私たち企業グループの原点にあります。

高知県安芸自動車学校初代社長である大西為市は高知県の片田舎である奈半利町出身ながら、遠洋漁業にて世界の漁場を開拓し、明治、大正、昭和時代、カツオ、マグロ漁を通じて日本人に食料を提供してまいりました。特に太平洋戦争後、食糧不足、栄養不足であった日本人に栄養価の高いたんぱく質、カルシウム、ビタミンなどを豊富に含んだ「お魚」を提供するべく船団を率い、漁業に一層励みました。その船名は「廣漁丸（こうりょうまる）」、こうりょうさんの愛称となった名前の由来です。

太平洋戦争の記憶が薄れない1950年代から1960年代にかけて私たちの自動車学校は生まれました。その時代、30歳代から40歳代の創業者たちは何を考えていたか。彼らの生きた多感な10代から20代の青春時代は戦争という時代だったのです。彼らが何を思ったのか、多分「平和な時代」を夢見たのではないでしょうか。初心運転者の育成という崇高な理念もさることながら、いち人間として彼らを見たとき、平和に貢献する産業、平和を味わうことが出来る仕事が出来ればと考えたはずです。それがたまたま自動車学校であったと考えます。

お客様のために、社員から支持され、地域、お取引先から愛された「こうりょうさん」、私たちの事業は「漁業」ではなく「自動車学校事業」となりましたが、その姿勢を引き継ぎ、人類の平和に貢献すること、人間に欠かせないものの提供、社会の課題解決のために汗を流してまいります。

加えて、高知の片田舎出身の若者たちが、人間に欠かせない「食」のために、世界中を駆け回り、活躍したように、「こうりょうホールディングス」の社員が世界に羽ばたく応援、自動車学校事業を通じて世界の交通安全に貢献する、場作りをしていきたいと思っています。